「毎日が忙しい…」「もっといい仕事の仕方があるんじゃないか…」
ビジネスマンなら、誰でも一度は思ったことがあるはず。 そんな方にとって、仕事の仕方が一変するのではないか、という期待とともに注目されているのが話題のChatGPTです。
もう一つ、現代の業務自動化に欠かせないツールであるRPAとともに、業務効率化につながる活用アイデアをご紹介します。
「よく聞くChatGPTってなに?」「RPAもよく聞くけど、本当に仕事が楽になるの?」という方にも、その特徴が伝わるように解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
ゼロからわかる!RPAと導入のコツ
「RPAとは?」「RPA導入を考えているけれど、どうすればいいのかわからない」といった方に向けて、わかりやすく解説した資料です。
ChatGPTとは?
ChatGPT(Generative Pre-trained Transformer)とは、OpenAI社が開発した自然言語処理のモデル「GPT-3」を使用したAIチャットサービスです。膨大な文章データを使ってトレーニングされていて、テキスト生成や翻訳、質問応答、文章の要約など幅広く活用できることから注目されています。
ChatGPTは、トレーニング時に与えられた文章データから、単語の出現パターンや文法的な構造などの言語的な特徴を自動的に学習します。これにより、ChatGPTは自然言語を理解し、自然な文章を生成することができます。
また、ChatGPTは、トレーニング時に大量の文章データを用いることで、さまざまな言語的な知識も獲得しています。文法的な構造や単語の意味、語彙の類似性、慣用表現などを自動的に学習し、多様な言語に対応することが可能になっています。
つまり、ChatGPTは言語処理が得意なAIということです。
これがどう仕事の役に立つのか、というと、主に以下のような業務に活用できます。
- ブログ記事やリリース記事の初稿執筆
- メールの文章作成
- 資料、プレゼン、企画書の構成(アウトライン作成)
- 翻訳作業
- 議事録の作成・要約
例えば、企画書の作成にChatGPTを活用してみましょう。
プロンプト※:あなたはITコンサルティング会社の採用担当者です。首都圏のエンジニア採用を強化していて、毎月2名採用したいと考えています。採用活動の企画案を5つ考えてください。
※コンピューターにコマンドを入力する場所を表す画面上の表示。AI関連の文脈ではAIに対する指示のこと。
いろいろなアイデアを提案してくれました。
この中から気になる企画をさらに深堀りすることも可能です。
プロンプト:「インターンシッププログラムの充実」はいいですね。学生が興味を抱いて、訪問してくれる企画を10案出してください。
人事・採用業務は中小企業においては一人担当ということも珍しくありません。その際、企画出しにもう一人アシスタントと相談する感覚で使用することができます。
ChatGPTは高度な文脈理解や柔軟な応答生成能力を持っているので、これを上手に活用できれば、人事・採用担当者の業務効率化に大きな助けとなることは間違いありません。
RPAとは?
RPAとは、Robotic Process Automationの略称で、「ロボットによる処理の自動化」を意味します。ソフトウェアやアプリケーションが、設定された通りに自動で作業を処理します。
RPAはロボットなので、人間のように状況を読み取って柔軟に判断することが苦手です。逆に、あらかじめ決められたことを、決められた通りに動くことは人間以上にミスなく行うことができます。
RPAが得意なこと
データの転記
特定のデータ収集
特定の相手へのデータの自動送信
デジタル上での大量の繰り返し作業
RPAが苦手なこと
都度判断が異なる業務
企画やアイデアを出すこと
デジタル化していないデータの処理
また、RPAはローコードツールといって、プログラミングの知識なしに使用できるツールになっています。どの程度の知識が必要かはソフトによって異なりますが、ただ動かすだけなら、それまでヒトが行っていた操作をそのまま記録することが可能です。
実際に動作する様子は以下の動画でご覧ください。
RPAは業務を自動化するだけでなく、人的ミスが削減できる点も大きなメリットです。Excelの入力ミスは、ミスを修正する時間も生み出し、他の業務時間を圧迫しがちです。RPAは作業時間のみならず、こうした修正時間も削減できます。
RPAは大手企業や自治体を中心に導入が進んでおり、活用している組織も多いでしょう。
【RPAツール徹底比較】自社に最適なRPAツールとは?
代表的なRPAツールである「WinActor」「UiPath」「Power Automate Desktop」、3つの特徴をまとめて比較しました。
特典として、それぞれのツールで同じ作業を自動化した比較動画のURLも掲載しています。
RPA導入にお悩みの方、ツール選定の決め手に欠ける方はぜひご活用ください。
ChatGPTとRPAで業務効率化するアイデア
そんなChatGPTとRPAを組み合わせれば、もっと業務を効率化できるのでは?と考える人も少なくないでしょう。
API※を活用できる知識があれば、ChatGPTで行える範囲も広がりますが、本稿ではあくまでもプログラミングの専門知識をほとんど持たない方でも活用できるアイデアを提示します。
※API<Application Programming Interface>とは、ソフトウェアアプリケーション同士が相互に通信するためのインターフェースのこと。ChatGPTを提供するOpenAI社は、APIを使用してサービスを提供しており、同社のAPIを使用することで、開発者はChatGPTに対してリクエストを送信し、応答を受け取ることができます。
日報作成と感情分析
毎日、上長に日報を提出する組織は少なくないでしょう。形式は会社によってまちまちでしょうが、ChatGPTなら自社の形式に沿った内容を、わずかな入力時間で作成することができます。
例えば、以下のような日報の項目を想定しましょう。
本日の予定:
課題・気づき:
明日の目標:
プロンプトは以下です。
プロンプト:あなたは指導力のある部長です。以下の入力をもとに日報作成をサポートしてください。出力については本日の予定、課題・気づき、明日の目標を出力してください。
【入力】
#本日の予定
・9時~11時 提案書作成
・11時~12時 打合せ
・13時~15時 移動・客先打合せ
・15時~16時 社内ビデオ会議
・16時~17時 見積もり作成
・17時~18時 書類確認・校正など
#課題・気づき
・提案書の内容を詰めずに作成を始めたため、時間がかかってしまう
・見積りを作成するための資料確認が不足し、作り直しが発生してしまった
#明日の目標
・作業に着手する前に段取りを取る
※入力する際は社名や個人名など、自社の機密情報に抵触しない表現にしてください。
Tips
「#」はタイトルとして認識してくれます。
ChatGPTの回答は以下です。
箇条書きでしかなかった日報を膨らませて表現してくれました。
続いて、この日報情報を、従業員のモチベーション分析に利用してみましょう。
ChatGTPは文面から感情分析にも使用できます。例として、先ほど作成した日報を分析してみます。
プロンプト:
#命令文
あなたは企業の人事担当者です。以下の#制約条件に従って社員の感情を分析してください。
#制約条件
*#出力形式に必ず従うこと
*#日報内容を基に分析すること
*「心理」「表現」2つの軸でジャッジすること
*「心理」は”ポジティブ”または”ネガティブ”で評価すること
*「表現」は”論理的”または”感情的”で評価すること
*理由を記載するときには#日報内容から根拠となる箇所を引用すること
#日報内容
課題・気づき:【日報内容をコピー】
明日の目標:【日報内容をコピー】
#出力形式
*「心理」の評価
*その理由
*「表現」の評価
*その理由
出力は以下です。
この分析を通して、短期的には心理評価が下がった段階ですぐに部下に対してコミュニケーションを取ることができます。
さらに、このデータを人事や採用などと共有して長期で蓄積、RPAでデータをExcelなどに整えればモチベーション分析を行うことができます。この分析データを用いれば、部署の配置や業務量の調整など、働きやすい職場づくりにつなげることも可能になります。
会社の売上分析
会社の売上情報を分析して、参考資料を作成する使い方も考えられます。
例えば、売上情報データベースに蓄積し、RPAでExcelデータに整え、グラフ化。そのデータをChatGPTに読み込ませて、資料用のテキストを作成します。
プロンプト:貴方は企業の経営戦略部担当者です。以下の店舗売上の分析データから、気づきを端的に記載してください。【以下はグラフの元データ】
数字に対する分析テキストが出力されました。
今回はダミーデータを使用したため、プロンプトもシンプルなものでしたが、より多くの店舗情報や顧客情報を加えれば、詳細な分析が可能になるでしょう。
データとテキストを組み合わせれば、売上資料も簡単に作成することができます。
AIとRPAで加速する業務自動化
ChatGPTとRPAを組み合わせることで、業務自動化の可能性がさらに広がることがイメージできたのではないでしょうか?
一方で、これまでの事例から「ChatGPTのプロンプトを入力するのが手間なのでは?」と思われた方もいるかもしれません。
少なくとも、現在のAIの精度は人間からの命令が細かければ細かいほど正確な回答が生成されます。つまり、「文章を書く」「転記する」「ビジュアルを調整する」といった作業はAIやRPAが可能ですが、何を出力させるのか、なにを切り口に考えるのか、といった「考える」部分は人間が担わなければなりません。また、どんな風にこれらAIやRPAを業務で使っていくのか、導入を進めていくのも人間の役割です。
ChatGPTをはじめとするAIやRPAは、万能ではありません。私たち人間がこれまで行ってきた作業を担ってくれる、心強いアシスタントと捉えるべきでしょう。
ツールを使いこなすためには、使う側が知識をアップデートし続けることが必要です。しかし、忙しいビジネスマンが常にツールの情報を更新し続けることは難しくもあります。「どんな風にデジタルツールを使えばいいかわからない」「社内の業務効率化がうまくいかない」とお悩みの企業は、少なくありません。
そんな時は、外部のパートナー企業を見つけることが有効です。
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