前回までのあらすじ
社内でのDXの進め方を学んだ初心さん。学びを活かそうと試行錯誤を繰り返している中で、大きな課題を見つけてしまったようです…。
人材がいない!!
ロボフィス 研修サービスのご案内
ロボフィス株式会社が提供する研修サービスについて記載しています。
社員の生産性向上に関する考え方や組織内のITリテラシーの向上や、実際にITツールを使用する実務者に対する研修を、会社の風土や文化に合わせたオリジナルカリキュラムで提供しています。
日本で不足するDX・IT人材
RPA導入の時も思ってましたけど、DXとかRPAとかを一緒にやってくれる人ってなかなかいないんです!
その悩み、全国共通なんですよね…
日本のIT人材不足は明らかです。
帝国データバンクの「DX推進に関する企業の意識調査(2022年9月)」では、DXに取り組むうえでの課題として「対応できる人材がいない」(47.4%)や「必要なスキルやノウハウがない」(43.6%)がともに4割超という結果になっています。
DXに取り組む課題(複数回答)
全国のIT人材の数は、2021年度調査結果に基づく事業会社のIT人材の推計が約34.6万人、IT企業の推計が約107.9万人で、合わせて国内のIT人材の合計数は約142.5万人です。
IT関連の業界ではない企業がIT人材を獲得するには、熾烈な人材獲得競争を勝ち抜かなければならないことがわかるでしょう。
偶然入社してくれる、なんてうまい話はなさそうですね…
IT人材とは
そもそも、IT人材ってなにをする人なんですか?
IT人材とは、ITを活用する技術を持った人材のことです。IPAでは以下の職種をIT人材と定義しています。
ITストラテジスト :システム開発の上流工程において、企業のトップマネジメントとともに事業戦略や事業計画の段階から参画するエンジニア系上級職
システムアーキテクト:システム開発の上流工程において、対象業務の分析や設計などに携わるシステムエンジニア系上級職プロジェクトマネージャ:システム開発などのプロジェクトにおける総責任者。進行管理を担い、予算、品質、納期に対して全責任を負う
ITサービスマネージャ:ITサービスの提供に際し、情報システムの安定稼働や継続的な改善、障害発生時の対応、品質管理など、高品質なサービスの提供を行うべく指揮・管理を行う
ネットワーク技術者・担当者 :コンピュータネットワークの設計、構築、運用に関わる専門家。社内ネットワークやインターネットを利用して業務を行う企業から依頼を受け、安定したネットワーク環境を提供する
データベース技術者・担当者:データベースに特化し、設計・構築・管理・運用を担当する専門家。
エンベデッドシステム技術者・担当者 :システムエンジニアの一種。エンベデッドシステム(組み込みシステム)に関するハードウェアとソフトウェアの要求仕様書に基づき、システムの開発・実装・テストを実施する。ESとも呼ぶ
情報セキュリティ技術者・担当者:情報セキュリティに関するスペシャリスト。情報管理やインシデント対策など組織的なシステム基盤を構築・管理する。非エンジニアでも担当可能
アプリケーション技術者・担当者 :アプリケーション開発をメインとするエンジニア。ITソフトや企業の業務をシステム化・効率化する
プログラマー:システムエンジニア(SE)が設計した全体のプログラムの仕様書に基づいて、システムが作動するようプログラミングを行う
システム監査:企業の業務で使用されている情報処理システムを対象に、内部・外部に対して信頼性が維持されているか、また経営に役立っているかなどを監査する。非エンジニアでも担当可能
ITの専門職種ってこんなにいろいろあるんですね!
社会がデジタル化することで、これら職種は市場でますます求められると考えられています
DX人材とは
とは言っても、初心さんが今人材不足を感じているのは、専門職というより一緒にDXに向けて走ってくれる人が足りないってことですよね
そうです! 専門家にならなくても、ITツールを勉強したり、使ったりすることを怖がらない人が足りないんです!
そんな方を「DX人材」って呼んでいます
DX人材とは、経済産業省が以下のように定義しています。
自社のビジネスを深く理解した上で、データとデジタル技術を活用してそれをどう改革していくかについての構想力を持ち、実現に向けた明確なビジョンを描くことができる人材
「DXレポート2」より
そう、コレです!!
DX人材不足を解消する3つの方法
DX人材不足を解消するためには、主に3つの方法があります。
- 専門家を中途採用
- 新卒から育成
- 従業員に学び直してもらう
一つずつ、メリットとデメリットをみていきましょう。
DX人材不足を解消する方法① 専門家を中途採用
DX人材不足を解消するもっとも手早い方法が、専門家を中途採用することです。会社や組織に必要なスキルを持つ人材の求人を行えば、希望通りのスキルが社内で活用できます。
一方で、新しい会社の仕組みや風土に慣れるには時間がかかるもの。そのため、すぐに実力を発揮してもらうことは難しい可能性があります。
また、先述したようにIT人材のマーケットは活性化していて、自社が提示する条件で希望する人材が獲得できるかはわかりません。
DX人材不足を解消する方法② 新卒から育成する
新入社員を募集する際に、DX人材採用を行うのも一手です。
中途採用と同様に会社に慣れるまでに時間はかかるでしょうが、自社の風土を学びながら必要なスキルを身に付けていってくれるので、長期目線ではメリットがあります。
デメリットとしては、即戦力というわけにはいかず、教育コストがかかる点でしょう。社内にDX人材やIT専門家がいない場合は外部の研修などを受講する必要もあり、そうした学びを会社でサポートする必要があります。
さらに、せっかく実力が付いたころに転職してしまうリスクもあります。市場はDX・IT人材を求めているので、好待遇の求人も少なくありません。
こうした事態を防ぐには、学んだスキルを十分に活かせる環境と、会社へのエンゲージメントを高める工夫が必要になります。
DX人材不足を解消する方法③ 従業員に学び直してもらう(リスキリング)
すでに社内で活躍している従業員に、ITスキルについて学んでもらう方法です。近年では「リスキリング(学び直し)」というキーワードで注目されています。
社会や企業がデジタル・IT化していくと、既存の職種がなくなり、新たなIT関連の職種が増えていきます。2018年に開催された世界経済会議(通称・ダボス会議)において、「第4次産業革命により、数年で8000万件の仕事が消失する一方で、9700万件の新たな仕事が生まれる」との発表がありました。
こうした状況を鑑みて、リスキリングを行い、これまで学んだことのない(特にIT分野)スキルを身に付けてDX人材として引き続き社内で活躍してもらう、という取り組みです。
すでに社内で活躍していることから、中途入社の専門家や新卒採用者よりも会社の風土をよく理解していますし、課題も理解できるでしょう。スキルや知識さえ身に付ければ、すぐにDX人材として活躍可能な点がメリットです。
ただ、これまでやったことのない仕事や勉強をするのに、腰が引けてしまう人が少なくないことも事実です。リスキリングを行うことでどのようなメリットがあるのか、また会社としてどのような支援をするのかをはっきりと伝えて、やる気を引き出す工夫が必要になります。
どれもメリットとデメリットがあるんですね。
自社が今、DX推進においてどのような段階で、どんなスキルを持ったDX人材が必要なのかを把握して手段を選ぶ必要があります
まとめ
実際、「必要なのは今!」みたいなところがあると思うんですよね
そうですね。現実的にDX人材不足を解消するには、①~③を組み合わせるしかないでしょう
とくに②③は社員教育の一環として、一斉にITリテラシー研修を行うのもおすすめです。
ITに対する苦手意識の多くは「よくわからない」という知識不足から生まれます。DXやIT、また業務で使用する技術やアプリケーションについて少しでも理解できれば「やってみようかな」「●●さんはこんなことをやっているのか」など、意欲と相互理解が生まれます。また、なぜ会社がデジタル化・DXを進めているのか理解できれば、リスキリングの必要性と動機を持つきっかけになることも期待できるでしょう。
このようなITの研修を行う際には、自主学習や外部セミナーに参加する他、外部の協力会社に依頼する方法もあります。
会社の業務内容をヒアリングした上で、自社にピッタリの研修カリキュラムを提供してくれるITサービス企業もあるので、自社の取り組み目的に沿ったパートナーを探してみてください。
よーし、まずは社内研修をやってみて、一緒にDXプロジェクトも周知しちゃおう!
ロボフィスでは、業務効率化におけるツール導入に限らず、人材育成や業務改革を進める会社の風土改革も支援しています。400案件以上のITツール・DX支援のノウハウを持ったエンジニア/コンサルタントが、クライアントに最適な研修内容をご提案し、実務に役立つ教材をご用意します。ぜひお気軽にご相談ください。
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